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Q&A

 

管理・運営

管理・運営
 
1.エレベーターを使用しない1階住人がEV管理費をなぜ払うのでしょうか。
 1階に住んでいてもエレベーターを利用することがないわけではありません。エレベーターに限らず共用部分の管理費はそれを共有する区分所有者が「その持ち分に応じて」負担することになっています。
 (区分所有法第19条)

 しかし、規約で別段の定めができますので、規約でエレベーターを使用しなければその管理費負担から免れると定めることもできますが、どの階に住んでいれば幾ら負担がいいのかと定めるのに議論百出でうまく纏まるでしょうか。

 東京地裁の判決で、1階と2階以上の区分所有者で管理費を一律に算定していた場合で、各区分所有者のエレベーターやその他の共有部分の使用状況の違いを管理費の額に全て反映させることは不可能であるので、このように区分所有者の専有部分の面積比とすることは合理的方法と認められるとしています。
 
2.エレベーターの管理会社からリニューアルの時期だといわれました。
  長期修繕計画標準様式・作成ガイドライン活用の手引き」によりますと、エレベーターの修繕周期は15年、取替30年とされています。 
 
  その手引きの内容を下記します。

  1 業務の内容及び契約期間に関する事項
   1-1 保守点検契約の方式が明示されているか。□FM契約、□POG契約、□その他(    )
    1-2 保守・点検の業務の詳細が仕様書(技術的細目)に明示されているか。
      A 保守点検の項目 B 保守点検の頻度(項目毎) C 遠隔監視・遠隔点検の活用 □する□しない D   
     法定定期検査の実施□する□しない
    1-3 故障事故発生時その他緊急時の対応方法が仕様書(技術的細目)に明示されているか。
    1-4 保守点検契約に含まれる部品の修理や交換の範囲が仕様書(技術的細目)に明示されている
     か。
    1-5 保守点検契約の期間が明示されているか。*契約期間(     年)
    1-6 保守点検契約を更新する場合の方法が明示されているか。(契約満了日の30日前までに解約の
     申し出がないときは契約を1年延長する等)。
    1-7 保守点検契約を解約する場合の方法が明示されているか。(契約を解約しようとする時は、契
     約の相手方に30日以上の余裕をもって通知する等)。
  2 契約当事者の責任範囲に関する事項
    2-1 免責条項や賠償義務が明示されているか(災害の場合における責任範囲等)。
  3 保守点検業務の再委託の制限に関する事項  
    3-1 所有者の承諾を得た場合を除き、第三者に委託してはならないことが明示されているか。
  4 保守点検業者による作業報告書に関する事項
    4-1 作業報告書の提出時期が明示されているか。□点検毎□1月毎□その他(    )
    4-2 保守点検、不具合対応等の作業や処置に応じた報告書を提出することが明示されているか。
    4-3 昇降機の製造者が製造、供給、又は指定した部品(消耗品その他軽微な部品を除く)を独自に 
     以外の部品に交換した場合において、交換個所、交換理由、交換費用、交換製品の取扱説明書
     及び交換製品の保守点検に必要な情報を作業報告書に含むことが明示されているか。
  5 技術的助言の提供に関する事項
    5-1 所有者が昇降機の維持管理に関する助言を求めた際、保守点検業者の立場から適切な技術的助
     言を行うことが明示されているか。
  6 事故発生時等に特定行政庁への報告に関する事項
    6-1 昇降機に事故や重大な不具合が発生した場合において、迅速かつ有効な再発防止対策につなげ 
     るという公益性の観点から所有者が特定行政庁に報告する上で、保守点検業者の立場から所有
     者に対して必要な協力を行うことが明示されているか。
  7 契約終了時の文書の変換に関する事項
    7-1 契約期間の満了又は契約の解除により契約対象の業務が終了した場合における、所有者が貸与
     した文書の取り扱いが明示されているか(貸与した文書の変換等)。 
 
3.お隣のご主人が、夜になるとベランダで喫煙し、たばこの煙と臭いが風にのって流れてきます。
平成24年末に名古屋地裁で、画期的な判決が出ました。

 下階に住む男性がベランダで吸うたばこの煙で、女性が体調を崩したとして、手紙や電話で喫煙をやめるように訴えた裁判での判決です。男性はすぐ下の階の住人で、家族がいるときはベランダでたばこを吸う習慣でした。女性にはぜんそくの持病があり、扇風機や空気清浄機でこれを防ごうとしたにもかかわらず、かえって体調を悪化させてしまったために訴えたものでした。

 判決は、「他の居住者に著しい不利益を与えながら、防止策を採らないことは」不法行為に当たるとして精神的損害への慰謝料として5万円の支払いを命じたものです。

 さて、お隣同士で裁判沙汰にはしたくないと思いますので、このような苦情があった場合は、先ず理事会で相談して、ベランダ喫煙で迷惑を被っている人がいるという事実とベランダでの喫煙には違法性があるとの判例のあることを回覧等で知って貰うことから始めましょう。管理組合としても、規約や細則に「共用部分での喫煙禁止」を制定するかどうかの検討は必要でしょう。もし、すでに、規約や細則に制定されていればこの事実の周知を徹底しなければなりません。

 ベランダでしかたばこを吸えないお父さんの気持ちもわかりますが、ベランダは共用部分で、ここでは他の迷惑になる行為をすることは認められていません。あなたの喫煙に迷惑を受けている人がいて、ご近所ゆえに声を上げられないのだということを理解してください。
 
4.マンションを購入し賃貸住宅から移転しましたが、住まいのルールがよくわかりません。
 マンションの一室を所有し、マンションに住むといろいろな制約を受け、トラブルの発生もあります。
 
  その理由としては、戸建て住宅との基本的な違いがあります。そして住んでみて初めてわかる事柄も多く、戸建ての常識が通用しないことにあります。

    ① 構造の違い
     マンションは、躯体を境界にして各住戸があり、エントランスから廊下やエレベーター、階段など
   があって一つのマンションが出来上がっています。建物の財産としての価値は、個々の住宅にある
   のではなく、建物全体としての財産価値が生み出されています。
      建物全体が適切に管理されていないと、自己の専有部分だけがどんなに手入れが行き届いていても
   価値あるマンションとして評価されません。
 
    ② 所有関係の違い
     マンションを購入することは、戸建ての場合と異なり「土地」と「建物」を入手するのではなく、
   一つの住戸部分「専有部分」と、敷地・建物の構造部・建物・設備・附属施設などの共有財産「共
   用部分」を購入することになり、共用部分に対しても所有者としての管理責任が生じます。
 
      例えば、バルコニーは専有部分とつながっていて、ガラス戸を開けるとバルコニーに出ることが
   できますので、ここは専有部分と勘違いされている方が多いのですが、バルコニーは共用部分なの
   です。その理由は、非常時にはバルコニーの隣戸との境界にある「隔壁板」を破って隣戸側に逃げ
   るための避難路の役割を兼ねていますので、専有部分とはいえず通常時は専有部分のように使用で
   きる「専用使用部分」なのです。
     したがって、掃除をすることのような通常の管理は「専用使用者」の責任で行うことになります。
     これは窓枠・窓ガラス・網戸についても同様です。若し窓ガラスが専有部分なら、各自が好きな色
   のガラスにしたり窓広告をに入れさせたりしたらどうなるでしょう。調和のとれたマンションでは
   なくなる恐れがあります。

  ③ 用法・用途の違い
   それぞれが住戸部分を所有しているとはいえ、多くの場合は居住の場所に限定された用途と、法律
   ・規約・細則・総会や理事会の定めに従った用法が求められます。静かな住環境を求めて入居した
   のに隣が居酒屋や託児所では困ります。それ故多くの場合「居住の場所」に限定されているので
   す。 
 
  ④ 管理の違いと費用負担
     建物や敷地などは共用部分ですから、共用部分の維持・補修は区分所有者全員からなる総会で話し
   合って決めます。管理に要する費用は、区分所有者が公平に分担しなければなりません。何を基準
   に公平とするかについては、多くの場合、各々の所有する専有部分の面積比としています。
     この基準で管理費等の負担額が決まりますので、仮に一階に住んでいてもエレベーターの管理費を
   負担しないということはできないのです。
 
 
  以上が、お互いが助け合い、自分の財産を守り快適に暮らすために必ず知っておくべきことです。
 
6.管理会社との付き合い方について教えてください。
1、マンションの管理の形態には(1)自主管理 (2)全面委託管理 (3)部分委託管理 
  あります。

 (1)自主管理は、外部委託なしで、自力で管理業務についての意思決定、実務の執行のすべてを行う
   ことをいいます。
    管理会社への管理委託料が不要になることから管理費が低額にはなりますが、その分理事長をはじ
   めとした役員の負担が大きくなります。
 (2)全面委託管理は、①事務管理業務、②管理員業務、③清掃業務、④建物・設備管理業務の全てを
   外部委託することをいいます。
 (3)部分委託は、外部委託する場合に、例えば、会計業務だけを委託するような場合をいいます。
  ①「H20マンション総合調査」によれば、(自主管理5%、全面委託74.9%、一部委託15.5%)となっ
   ています。
  ② 中部管協の会員の場合は:①自主管理 44.1% ②委託管理 55.9% です。
   どの方式でも大切なことは「マンション管理の主体は、区分所有者で構成される管理組合であり、
   重要事項は管理組合が決定する。」という気持ちが全員の共通認識になるように心掛けることで
   す。
 
2、管理委託契約
   上のデータからも分かるように、多くの管理組合が管理会社との間で管理委託契約を締結していま
    す。マンション管理標準指針の前書きに「管理組合の適切な運営の下で、居住のルールや会計が明確
    化されるとともに、長期修繕計画等に基づいた適切な維持・改善が行われることが不可欠です。」と
    されているように、本来は組合員が協力して、管理をすべて自力で行う「自主管理」への移行努力が
  望ましいことであることには違いありませんが、マンションの規模や地域又は組合員の年齢構成など
  によって、実際の管理を管理組合の力だけで処理することは難しくなっています。
   特に、高経年のマンションでは組合員も高齢化しています。そのため、管理を専門業者に委託する
   「委託管理」の場合が多くなり、中部管協の会員の場合も先ほどのデータのように約6割が管理を専
  門業者に委託しています。
 
 
3、管理会社への管理委託する場合の留意点
 (1)組織運営の「かじ取り」(方針決定・方法決定・評価・実行)は管理組合が握っておかなければな
   りません。
 (2)実際の管理組合の業務では、専門知識が必要になり、日中は本来の仕事に従事している区分所有者
   では時間的にも対応できないことがあり、結果として管理業務の一部又は全部を管理会社への委託
   契約が多くなっているのです。
    新築マンションでは分譲時に管理会社が指定されていることが多いことも、その要因です。
 (3)専門職である管理会社はマンション問題に詳しく、区分所有者は管理会社に任せておけばうまくい
   くと思い込む方が多いようです。しかし、管理組合と管理会社との関係は、あくまでも契約であ
   り、契約以上のことはしませんし、管理会社が管理組合を指導する立場にあるわけではありませ
   ん。
    組合員が、楽だからと完全にお任せしてしまっていて、管理会社の指示通りに動いていて、自分で
   判断できなくなった管理組合が多いことは、当会への相談内容からもわかります。
   「管理会社に使われていていいのですか?」そう問いかけたい気持ちです。
 
 本当に自分たちの財産は自分たちで守るという気概がなければ、マンションは、いずれは廃墟となり
スラム化してしまうのだと知っておくことが大切です。
 
7.今の管理会社を替えようと思います。管理会社の選定はどのようにしたらいいのでしょうか。
 「マンションの管理の適正化の推進に関する法律(適正化法」では、マンションの会計・出納・維持などの基幹事務を行う管理業者は、国土交通省への登録が義務付けられています。登録業者には、厳しいルールが適用されますので、管理会社選択の第一条件はこの登録業者を選ぶことです。

 次に、管理会社の業界団体である「マンション管理業協会」の会員であるか、または同協会の「保証機構」に加入しているかを調べます。管理会社は、管理組合の業務を受託する場合に適正化法施行規則第87条によって1か月分以上の額の保証契約を義務付けられていますが、管理会社が経営破たん等で混乱に陥らないようにこれを「保証」して貰う必要があるからです。

 この場合、保証対象の管理組合には、同協会の発行する「保証委託契約受諾証明書」が管理会社を介して交付され、これが保証金請求時の必要書類になりますので必ず受領してください。破たんした業者に代わる新しい管理会社は、希望すれば同協会から紹介してもらえます。なお、保証の対象になる管理費等とは、管理組合が毎月及び定期的に区分所有者から徴収している「管理費」、「修繕積立金」、「敷地・共用部分の専用使用料及びその他管理規約に定められた管理に要する費用」です。
  
 管理会社に確かめることは、経営方針、教育・指導体制、事務能力、緊急時の対応能力、企画立案能力等でありますが、選定手順はガラス張りで行い、選定の理由を組合員に明確に説明できなければなりません。
 
 全面委託の場合の管理委託契約先の選定には、別資料「管理会社の選定の際の管理会社評価ポイントの例」による評価ポイントなどを一つの選択基準として使用することも考えてみましょう。最終判断の前に、複数の理事により、管理会社を代表する人と窓口担当者にも面談し、「会社の姿勢や担当者の人柄」も判断の材料にします。
 
  これらの結果で結論を出し、総会に諮り最終決定します。

 最近は、管理会社が大規模修繕工事にまで手を広げていますので、管理を専門にする会社と区分して選択することも一方法です。
 
 契約は、必ず文書で行い、国土交通省の「マンション標準管理委託契約書」を参考にしてください。   
       (準拠している率を下記します。)

 ※平成20年度マンション総合調査
       (委託している管理組合のうち「マンション標準管理委託契約書」に準拠している割合)
           1.概ね準拠している    89.4%
           2.一部準拠している        1.9%
           3.全く準拠していない      0.4%
           4.不明                   8.3%
 
 
別表
 
管理会社選定の際の管理会社評価ポイント
 
管理委託契約先の選定には、下表による評価ポイントを利用する。
 
1.評価項目 
 
 1  国土交通省の登録業者であるか。
 2  最近3年間の決算は黒字であるか。
   (3年間の損益計算書と貸借対照表の提出を求める。)
 3  受託管理組合数及び一管理業務主任者の受持組合数は20以下であるか。
 4  建物・設備の保守・点検を実施する専門的能力と組織を持っているか。
 5  業務実施の基礎となる仕様書や作業基準が整備されているか。
 6  会計業務は、毎月収支計算書及び貸借対照表を報告できる体制があるか。(月次決算)
 7  水漏れ、逆流など緊急時の即応体制はあるか。
 8  管理組合の運営や長期修繕計画などへのアドバイス能力例えば、管理規約の改正の提案、長期修
  繕計画の5年ごとの見直し、修繕積立金の必要額など運営の基本的事項についてアドバイスするこ
   とができるか。(2項目以上)
 9  未収金について管理会社の業務範囲は、法的措置の補助も入っているか。
 10  委託契約において、国土交通省のマンション標準管理委託契約書と異なる条項があれば、その理
 由を文書で説明できるか。
 11  委託業務の再委託先は、管理組合に事前通知する態勢にあるか。
 12  管理会社の企業情報は、ホームページで公開しているか。
 (1)設立年月日  (2)資本金   (3)役員名   (4)売上高   (5)従業員数
 (6)主要取引銀行 (7)主要株主  (8)業容   (9)資格・登録・免許  
 (10)有資格者数 (11)管理実績・財務状況 (12)加盟団体等
 13  弁護士、一級建築士などの専門家との連携体制はあるか。
 14  従業員の研修・訓練は、なにを、いつ、どこで、だれが、何人に対して行っているか。
  (訓練受者/総従業員が50%以上) 
 15  マンション管理業務で、他社より勝れているサービスは何か。例えば、年一回の管理会社サービ
 ス調査の実施、経費節減の提案、高齢者対策などが複数項目。
 16  受持ち支店・営業所は、30キロ圏内にあるか。
 17  マンションのコミュティ形成強化への支援を行うか。
 18  管理委託費は、「管理委託費の目安」の範囲内に入っているか。入っていない場合は、それなり
 の合理的な説明ができるか。
 19  管理会社の個人情報保護の規定は整備されているか。
 20  総会議事録は、総会終了後2週間以内に議長に提出できるか。
 
2.採点及び採用
 
 ①配点5点/項目
 ②トータル75点以上合格点
 ③フロントマン・責任者との面接後に決定
 
 
     (NPO法人 福岡マンション管理組合連合会:基準)
 
8.管理費の節約について何か方法はありますか。
 マンションの管理の全てを外部の業者に依頼する全面委託の場合でも、

(1)EVの保守点検、消防設備の点検、植栽の管理、清掃業務などを個別に直接専門業者と契約した
   り、シルバー人材の派遣の利用や防犯カメラのリース契約を買い取りにするなどで管理費の節約に
   成功している組合も増えています。

(2)共用部の照明にかかる費用の節約で、「一括受電方式」に切り替えたり、「電子ブレーカー」に切
   り替えたり、照明ををLEDランプに切り替える、屋上に太陽光発電装置を設置するなどの動きが
   出ていて、県や市町村の補助が出る場合もあります。調べてはいかがでしょうか。

(3)照明費用の節約は、点灯・消灯の時間をこまめに設定することによってももたらされます。国立天
   文台のHPから、暦計算室>各地のこよみで調べられます。

(4)一部新聞紙上で、経産省が平成25年度からマンションに住む一般家庭の節電を支援する方針が報じ
   られました。管理組合の節電関連設備取付費用を補助し、電力消費量が急激に増加した場合等に共
   用部照明を落としたり、EV運行を一時的に止めたりの協力を期待し、節電の度合いに応じて入居
   者が電力会社から報奨金を受け取る仕組みのようですが、詳細は今後の動きを見極め、「中部マン
   ションたより」でご報告します。
 
 
9.管理費の額がよそのマンションより高いような気がします。他のマンションに事情を教えてください。
 自分のマンションの管理費や修繕積立金の徴収額が、一般と比較して多いのか、少ないのか気になるところだと思います。

(1)区分所有法では、「各区分所有者は、規約に別段の定めがない限りその持ち分に応じて、共用部分
   の負担に任ずる。」と第19条で規定しています。詳細は標準管理規約で定められ、「敷地及び共
   用部分等の管理に要する経費に充てるため、管理費と修繕積立金を組合に納付しなければならな
   い。」とされています。

(2)業界紙「マンション管理新聞」の記事に、平成24年1月から6月に供給された東海地区の新規分
   譲マンションの「管理費等初期設定調査」データが出ています。
   同紙によれば、管理費の平均は13,924円で㎡当たり149円、管理準備金平均23,926
   円、㎡あたり257円、修繕積立金の平均は7,005円で㎡当たり75円、修繕積立基金の平均
   は440,095円、㎡当り4,718円となっています。
   全国平均は、管理費㎡当たり171円、管理準備金㎡当り227円、修繕積立金㎡当たり82円、
   修繕積立基金㎡当たり5,392円でした。
 
(3)管理組合の会計基準は、法的に定められていません。管理会社に業務委託している組合と小規模の
   自主管理の組合では考え方も取り組み方も違います。決算時に収支報告だけで貸借対照表を作成し
   ない組合もありますが、ある程度は仕方ないことです。 
 
(4)特に会計は、専門的知識を要しますので、担当することが敬遠されますが、金銭出納が正しく処理
   され、現金残と銀行口座残額の集計に間違いがなく、それらの帳票が正しく保管されていることが
   重要です。
 
(5)予算の使い方については、理事長は予算案を通常総会で承認を受け、変更も臨時総会の議を経るこ
   とが標準管理規約第58条に規定されています。
 
(6)通帳と印鑑の保管は、必ず別の人が保管すること。これを疎かににすると不正費消の原因になるこ
   とがあります。
 
10.消滅時効になった回収不能になった債権の放棄はできるでしょうか。
 滞納管理費等の額が少額であるときで、それ以外の負債を抱えて支払い不能になった区分所有者や特定承継人が支払いに応じず、管理組合としても訴えの提起まで踏み切れない場合には、債権放棄を検討せざるを得ません。
 
 管理組合が法人の場合には、区分所有法第52条に基づき総会の決議を経て債権を放棄できます。

 法人でない管理組合の場合は、民法251条の(共有物の変更)「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。」が適用されると考えられ、これは、組合員全員の同意を必要とすることを意味し、実際には難しいこと考えられています。

 しかし、管理組合は法人であると否とにかかわらず、その固有資産を保持し、管理規約の定めに従ってこれを処分できるとする考え方もあります。
 
 肝心なのは、早期に対応して滞納額の少ないうちに回収を図ることです。それには債務者に滞納金の少ないうちから督促をし、債務の存在と分割でもいいから返済する意思を明らかにさせる「滞納金支払約定書」の作成をして、債務者から署名と押印を貰うことが重要です。
 
11.管理費等の滞納者がいますが、長期間入金がなく心配です。
 管理費等のような「定期給付金債権」の短期消滅時効は5年間との最高裁の判断が平成16年に下されました。5年間放置していると徴収できなくなります。
 
 長期間にわたる管理費等の滞納がある場合は、回収するための対策が急務で、次期の理事会に引き継ごうなどと考えると取り返しのつかないことになります。大変でもご自分の時期で解決することを心がけましょう。

(1)延滞金が発生したら本人から支払を受けなければなりませんが、このような案件では他にも多くの
   負債があることが予想され、区分所有権を売買して転出することも予想されます。転出等に関与す
   る不動産仲介業者に対し、滞納金は、次に専有部分を取得する特定承継人に引き継がれることが法
   で定められていることを説明する義務があることを、明確にしておくことが必要です。 
 
(2)専有部分を売却しようとする組合員から仲介を依頼された宅地建物取引業者に対し、規約の写しを
   提供する以外に、対象物件に滞納金があることを管理組合に代わって宅建業者に伝えなければなら
   ないことが、「マンション標準管理委託契約書」第14条に、管理会社の業務として定められてい
   ます。
 
(3)滞納者の債務区分所有法第7条の「先取特権」として、同法8条に特定承継人が管理組合に対し
   ての負うべき責任として定められています。区分所有者が債務を未納・滞納のまま、その区分所有
   権を売買・贈与・競売などで承継取得された場合、その取得人すなわち特定承継人に債務者として
   の責任が発生します。承継人は知らなかったとしてもこの債務から逃れることはできません。管理
   組合として承継人に請求すらしない場合も見受けられますがそれは怠慢です。

(4)未収金の発生は、管理会社の責任ではなく管理組合の責任です。複数の役員で直接合うなどの方法
   で督促し、支払がないときは少なくとも支払約定書に署名押印をして貰いましょう。

(5)滞納金が納入されたときは、滞納時期の古い順から充当することを規約に定めておきましょう。万
   一にも、消滅時効にかからない対策です。 
 
(6)滞納者が、破産宣告を受け、破産管財人が選ばれたときは、破産者に「破産手続き費用を支出する
   に足る一定の財産がある。」と判断されたからです。この場合、破産宣告前の管理費等の延滞金に
   ついて配当を受けられることは無理としても、時効中断の関係からも、破産管財人に対して配当の
   要求は続けてください。そしてこの住戸を購入した「特定承継人」には支払い義務が生じますの
   で、滞納金を請求します。

(7)管理費等の滞納者の割合(%)ですが、
     「平成20年度マンション総合調査」では、下のようになっています。
                              あり       なし      不明
         3か月以上の滞納者 38.5    51.9    9.6
         6か月以上の滞納者 24.5    60.9   14.7
          1年以上の滞納者  17.7    65.9   16.4
 
 
12.「管理費等滞納金支払約定書」について教えてください。
 滞納者に督促をして少額でも返済があれば、「領収証」に「領収額」以外に請求総額と請求額の一部金であることを追記します。
 今後の返済については、以下のような書式で約定書を提出して貰いましょう。
 
 
            「管理費等滞納金支払約定書」
 
                                                   平成  年  月  日
 ○○管理組合
   理事長       殿

                                  区分所有者
                                  ○○号室 
                                        氏名             印
 
             滞納管理費等の支払いについて
   私は、○○管理組合管理規約第○○条により、毎月管理費等を管理組合に支払う義務が
   ありますが、 支払いができず滞納しています。
   今後、これらの滞納管理費等及び遅延損害金を下記のとおり支払うことをお約束します。
                                                                              以上
 
                             記
     1.滞納管理費等(平成○○年○○月○○日現在)
         管理費等
             平成○年○月分~平成○年○月分まで 
                  合計 金     ○○○○円
         修繕積立金
               平成○年○月分~平成○年○月分まで 
                        合計 金  ○○○○円
          駐車場使用料
               平成○年○月分~平成○年○月分まで 
                        合計 金  ○○○○円
          専用庭使用料
               平成○年○月分~平成○年○月分まで 
                        合計 金  ○○○○円
          水道使用料金立替金
               平成○年○月分~平成○年○月分まで 
                        合計 金  ○○○○円
          遅延損害金
              金利 ○○%、○○ケ月    合計 金  ○○○○円

                    合計 金 ○○○○○円

     2.支払い計画
       (1)支払い方法
                ○○ケ月  均等払い
       (2)支払い金額
                毎月  ○○○   円
       (3)支払い期間
                平成○年○月分~平成○年○月分まで
     3.その他
 
 
 
13.駐車場使用料を管理費収入にしていましたが、間違いなのでしょうか。
 駐車場や専用庭の使用料を管理費会計の収入としている組合もありますが、それぞれの維持管理に充てた余剰を、毎月修繕積立金会計の収入とすることがマンション標準管理規約の考え方です。管理会社によってはこれを管理組合に知らせないことがあります。
 
 ひどい例は、規約には規定されていながらこれを無視して、修繕積立金も使用料も管理費に繰り入れ、年度末に余剰金の一部だけを修繕積立金に振り替えている組合もあります。使用料を全て管理費に入れておけば、収入の部の管理費の額は大きくなり、管理会社へ支払われる委託管理料もそれほど目立ちません。これが修繕積立金へ振り替えられてしまえば、管理費収入総額が委託管理料に近づき、委託料金が高いのではないかという声が出てくる可能性がありますがこの場合は明らかに管理費の徴収不足です。管理費不足を隠そうとしても何の解決にもなりません。管理費不足は、その期の役員の不手際ではなく、これまでの役員を含めた全組合員の責任です。管理費の節約はできても、修繕積立金まで節約が大切ということで削ってはいけません。

 建物の老化・劣化は住人の努力で防げるものではなく、建物の立地条件や自然環境によって変わるものなので、管理費とは性格が違い、節約の対象にはなりません。
 
 マンション標準管理指針にも、「マンションの価値の維持・向上は、重要な課題であり、管理組合の適切な運営の下で、居住のルールや会計が明確化されるとともに、長期修繕計画に基づいた維持・改善が行われることが不可欠です。」とされているように、修繕積立金をもっと重要視して、古いマンションであればあるほど修繕積立金を増やす努力をしてほしいと思います。

 そのためには、マンション標準管理規約考え方のように、使用料は「修繕積立金]として積み立てましょう。

   建物も住人も老齢化に向かっています。例えば築30年を超えたマンションの場合、排水管の取替が管理組合にとって大きなテーマになります。規約で住戸内は専有部分と定めても、年金暮らしの区分所有者がとても費用負担できないといい出し、工事に入れず水漏れが発生し大騒ぎになった管理組合も多くあります。
 
 修繕積立金が多く積み立てられていれば知恵を働かせて対応することも可能ですが、修繕積立金が少なければどうしょうもなくなります。
 
14.初めての会計担当役員です。修繕積立金のて適切な管理・運用について教えてください。
 修繕積立金は、委託管理の場合は収納口座から翌月の末までに保管口座に振り替えられているかの確認が必要です。保管口座は金額が多く入出金の回数は収納口座に比べ少なく、通帳も多くのページ数を必要としないので保管口座通帳のコピーを残高証明書と併せて決算時の添付資料とすべきです。
 
 残高証明書は、決算報告時の必要書類とされていますが、残高証明書は会計年度末のその時点での口座の残高を証明するだけです。

 例えば、理事長や会計担当理事が一時的に資金を融通した場合、期末までに返済しておけば一定の期間は残高不足でもだれも気が付かないこともあり得るからそのような不正ができる可能性を消しておくことが重要なのです。

  
 会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿その他の帳票類を作成・保管し、組合員等からの請求に対しては閲覧させる義務が理事長にあるとされています。(標準管理規約64条・同条コメント)
 
  
 管理費会計と修繕積立金会計とは区分して管理しなければなりません。特に多額の資金が積み立てられる修繕積立金は、2002年のペイオフ解禁以降安全性重視の観点から全額保護される決済用預金で管理する組合が多くなっています。確かに全く利息が無くても組合には損失は与えませんが、築年数が経てば修繕にも多額の費用が必要です。せめて定期預金の限度枠で複数の金融機関に預金するとか、「国債」や「すまい・る債」の購入について考慮すべきではないでしょうか。利息も資産です。次期からの役員のために明確な運用ルールの作成をお勧めします。
 
 マンション販売業者は、販売促進の点からどうしても修繕積立金や管理費が他より安いことをPRしがちです。マンション生活をされたことのない方は「安いから」と飛びつきますが、これでは大規模修繕工事ができなくなります。国交省の「修繕積立金ガイドライン」によれば、1㎡当たり178円~218円となっていることを参考にして、ご自分のマンションの修繕積立金額と違いがあるようなときは見直しも必要でしょう。
 
 
15.管理費等滞納の請求に利用できる最適の訴訟手続きがあると聞きましたが…
 それは、平成10年1月1日に施行された民事訴訟法368条「少額訴訟に関する特則」のことです。
 
 複雑困難でない事件については、一般市民が訴額に見合った経済的負担で、迅速かつ効果的に解決することを目的として創設されたました。
 
 この少額訴訟手続きは、
   1.訴額が60万円以下の金銭支払い請求事件について利用することができます。
   2.原則として1回(第一回口頭弁論期日)の審理で判決が言い渡されます。
   3.一人の原告による同一簡易裁判所における同一の年の少額訴訟手続き利用回数は、10回以
     内に制限されます。
   4.訴えられた人(滞納者)が通常の裁判を希望した場合は通常手続きの裁判に移行します。
   5.少額訴訟においては、反訴を提起できません。
   6.裁判所は一定の条件のもとに、支払い猶予、三年以内の分割払い、訴え提起後の遅延損害
     金の支払い免除等を命ずることができます。この場合「勝訴」ということになり不服の申
         立てはできません。

  この程度の訴額では、弁護士を代理人にして訴訟を行うことは費用の面からみて合理性を欠くため、当事者が自分で訴訟を追行できるようにとの配慮がされています。

  すなわち一般市民が、訴訟代理人を付けずに自分で手続きを行うことを前提に、1回の期日で審 理を完了させるよう、裁判所書記官による事前の書面による教示と裁判官による期日の冒頭における教示が定められています。
 
  この制度で問題なのは、勝訴したら間違いなく滞納金を徴収できるかということです。相手が支払いに応じないときは、改めて通常裁判による手続きを取らなくてはいけませんので、それを見極めることが大切です。
 
16.滞納管理費等の回収がうまくいかず困っています。方法を教えてください。
滞納管理費等の処理は、マンション管理での共通の悩みです。
 
1.滞納金の発生状況
  「平成20年度マンション総合調査」によれば、管理費等の滞納が発生しているマンションの割合は増加
  していて、平成15年度の26.7%に対して平成20年度では38.5%となっています。
  また、管理費・修繕積立金の1年以上の滞納者のいる管理組合の割合は全体で17.7%で、形態別でみる
  と単棟型で14.2%、団地型で29.4%となっています。
  滞納6カ月以上でみますと、全体で24.5%、形態別では単棟型20.3%、団地型38.5%であり、完成年次
  が古くなるほど、総戸数の大きい管理組合ほど滞納住戸のある率が高くなっています。
  滞納者への措置については、全体では「文書等による催促」が74.1%と最も多く、次いで「支払請求等の
  訴訟(少額訴訟を含まず)」が9.6%、「少額訴訟」が5.8%となっています。「これまでに滞納者が発生
  したことがない」管理組合は12.7%となっています。
  完成年次別では、完成年次が新しくなるほど各措置の実施割合は低くなる傾向にあり、形態別では、
  「これまでに滞納者が発生したことがない」の割合は、単棟型が14.9%、団地型が6.3%で、団地型の滞
  納発生率が高くなっており、何らかの措置を講じている割合も、団地型が高くなっています。

2.滞納金とは
  滞納金とは、標準管理規約(単棟型)第25条に定める「管理費等(管理費・修繕積立金)」、第29条
  の「使用料(駐車場使用料・専用使用料)」、第60条に定める「臨時に要する費用として特別に徴収
  する費用、及び期日までに納付しない場合の遅延損害金、違約金として督促・徴収に要する費用及び
  弁護士費用を加算して、その組合員に請求できる。」と規定する費用の合計をいいます。

3.遅延損害金の利率
   区分所有者が管理費等を期日までに支払わないとき、管理組合が請求できる遅延損害金の利率は、規
    約に定めておくことが必要です。定めがない場合は民法上の法定利息年5%を請求できますが、規約に
    多少高めの率を設定しておくことが、滞納防止になるものと思われます。(国税滞納の場合14.6%も
    一例)

4.滞納金の回収
  先ず少額のうちに処理することが大原則です。そして早め早めに手を打つことです。それも管理組合
    自身の手で…
  管理費等の請求に関する時効は5年です。これは「年又はこれより短い期間によって定めた金銭その他
    の物の給付を目的とする債権は、5年これを行使しないときは消滅する。」と、民法第169条に定める
    定期給付債権の短期消滅時効にあたるとの最高裁判所の判決が平成16年4月23日に出ているからです。
  個人の責任と負担において管理する戸建て住宅と違い、マンションは所有者全員が管理に係る経費を
    負担することによって、良好な住環境が成り立っています。使用状況に関係なく区分所有している間
    は、管理組合の定めた管理費・修繕積立金、各種使用料(以下管理費等という)を、期限内に必ず納
    付しなければなりません。
 
5.管理会社の対応
  管理会社が管理を請け負っている場合でも、管理会社の責任は
  ①毎月管理組合に管理費等の滞納状況を報告する。
  ②滞納者に対しては、支払期限後○月の間、電話若しくは自宅訪問又は督促状の方法により、その支
      払の督促を行う。
  ③ ②の方法により督促してもなお滞納管理費等を支払わないときは管理会社はその業務を終了する。
    と、「マンション標準管理委託契約」に記されています。これは、弁護士法の規定で、弁護士以外の
      者が報酬を得る目的で法律行為を行うことができないとされているからです。
    管理会社に管理業務を委託している場合に、特にこれまでに滞納金が発生していない管理組合に多
      く見られることですが、全てを委託しているのだから滞納金の取り立てもして貰えるものと安心し
      ている場合がありますが、滞納金処理は管理組合が行わなければならない業務なのです。

6.管理費等の消滅時効
  これは、5年間との最高裁の判断が下され、長期にわたる管理費等の滞納がある場合は、回収するため
    の対策が急務で、次期の理事会に引き継ごうなどと考えると取り返しのつかないことになります。
  大変であっても自分の期で解決することを心がけましょう。
  管理費等の滞納は、組合運営の財政的基盤を揺るがす事態を引き起こし、きちんと納付している多く
    の区分所有者の義務感にも影響を与えかねません。
  同じマンションに住む知り合い同士で管理費等の納付督促をしたくないという気持ちは理解できます
    が、個人的事情が優先されると、区分所有者間の不公平感を助長する結果ともなり兼ねません。
  この問題は、理事会が中心になっていつでも同じ対応がとれるように予め手順を決めておきましょ
    う。
 
7.管理費等の督促手順の例
   締切後    項   目                 処   理   方   法
    0日  支払締切日       全員口座振替
   10日  口座振替不能通知   振替不能者に口座振替不能のお知らせ配布、口頭督促
   40日  文書督促       滞納者に管理費等支払督促書を発送
   90日 内容証明の発送    内容証明郵便を発送。内容証明には、連絡してほしいこと、連絡が
                                  ない場合は駐車場使用禁止、法的措置に移行することを記載する。
  120日  駐車場等の使用禁止 内容証明に従って駐車場の使用禁止措置をとる。駐車場使用禁止措
                                  置開始通知には、更に支払がなければ、法的措置に移行することを
                                  記載する。
  180日  法的措置の実施    支払督促申立て・少額訴訟・通常訴訟 
 
 
17.駐車場が空き状態になったので、外部に貸し出したいのですが何か問題がありますか。
 国税庁は平成25年1月に、マンション管理組合の区分所有者以外に駐車場使用させる「外部使用」の収益事業の判定について見解を発表しました。
 
 マンションの駐車場が、戸数分用意されていない管理組合では、抽選や申込順番で使用者を決めていましたが、最近は車離れなどで空き駐車場が出はじめています。
 空き駐車場を区分所有者以外に貸した場合の収入が収益事業として課税されるかどうかについては、これまで公式な国税庁の見解が示されていず税務署によっては1台でも外部に貸し出せば全体に法人税を課税することもあって対応がマチマチでした。
 そこで国土交通省は正式に、国税庁に対し「条件」と「三つのケース」を提示して問合せをした結果、
ケースごとに課税の有無が明らかにされました。
 
 (1)条件
    ①管理規約で外部使用が認められている。
    ②外部使用に係る収益は、区分所有者に配分せず管理費か修繕積立金に充当する。
 (2)ケース1.の場合  『全部収益事業』
    ①募集は広く行い、使用許可は、区分所有者であるかどうかを問わず申し込み順とし、使用料金、
         使用期間などの貸出条件において、区分所有者と非区分所有者との差異はない。
 (3)ケース2.の場合  『一部収益事業』 (区分経理する必要があります。)
    ①区分所有者の使用希望がない場合にのみ非区分所有者への募集を行い、申込があれば許可する
    ②貸し出しを受けた非区分所有者は、区分所有者の使用希望があれば、早期に引き渡す必要がある
 (4)ケース3.の場合  『全部非収益』
    ①区分所有者の希望がない場合であっても、非区分所有者に対する積極的な募集は行わない
    ②非区分所有者から申出があり、空きがあれば、短期的な非区分所有者への貸し出しを許可する
 
 ※今回の照会例で、ケース1のような運営を行っている管理組合は少なく、ケース2に該当する場合が
    ほとんどと考えられますので、「空きスペース利用の貸し出しだけが収益事業に該当する」ことにな
    ります。
 
  これまでは、1台でも外部に貸すと収益金全体に課税されると考えられていましたので、今回の文書
    回答で一定の見解が示されたことには意義があります。
 
  管理規約で、占有者の駐車場使用を認めている場合は、占有者は外部使用者には該当しません。
  今回の見解は、あくまでも、『照会された事実関係を前提とした回答で、個々の具体的取引等に適用
    する場合、回答内容と異なる課税関係が生じることがある。』と、条件が違えば上記の例にはならな
    いこともあるとされましたので、個別の事情につきましては、その都度税務署にお問い合わせをお願
  いします。
 
18.初めて「理事長」になりました。マンションで日常生活のトラブル対応について教えてください。
マンションでのトラブルの多いのは、「駐車・駐輪問題」、「騒音・生活音問題」、「ペット飼育問題」などです。

(1)「駐車・駐輪問題」のうち、「不法駐車」は、規制看板設置、役員によるパトロール等日ごろから
      地道に取り組みます。駐車場不足の場合は、定期的な抽選、順番入れ替えなどルール設定し、何年
      たってもそれを守っていくことが大切です。

(2)「騒音・生活音問題」ですが、騒音に対する感じ方は、人によって差があります。お互いに気配り
      が最効の良薬です。使用細則等でルールを決めるといいと思いますが、裁判になると、その騒音が
      受忍限度内かどうかで判断されます。音のトラブルで、ピアノの音は被害者側では安眠妨害・イラ
      イラ感となることが、原因者では正反対に、その音を楽しみ他人に迷惑をかけている意識すらない
      のが現状です。管理組合としては、個人生活に立ち入りたくないという気持ちで放置しないで、一
      定の基準を定める。何ホーンと決めるのは難しいでしょうから、例えば時間帯を決める、理事会で
      話し合ってこれを規約に定めるようにするということは必要でしょう。
      フローリング床に変更したことによって、下階の住人がその騒音によってトラブルになルことが多
      くあります。これは専有部分の変更申請の細則のある管理組合でも発生しています。
   その理由は、申請に対し承認に手続に万台だある場合があります。フローリング床に変更するのに
      細則に床材の床衝撃音のレベルだけ決めて良しとしていることや、簡単に承認している理事長の姿
      勢に問題があります。
   フローリング床にする場合が、下階に音が伝わらないような吸音材を使い工法についてもそのマン
      ションの床の構造に合致した方法でなければなりません。
   そのためには、あらかじめ修繕工事の専門家をコンサルタントとして協力して貰うことを考えてお
      くべきなのです。

(3) 次に、「ペット飼育問題」ですが、飼い主にとってはペットは家族の一員です。しかしマンション
      には動物が苦手な人、アレルギーの人もいますし、感情論に発展しないためにも、両者の意見を尊
      重した飼育ルールを作成しましょう。ペットの飼育を禁止しているマンションもありますが、禁止
      していても「身体障害者補助犬法」に規定する盲導犬、介助犬又は聴導犬を使用する人のことを忘
      れてはいけません。また、飼育の禁止や制限が細則や規則でのみ規定されていて、規約の中で設定
      されていないときは定めそのものの有効性が問われることがあります。

(4) 役員を中傷するビラを撒いたり、暴力を働く行為に対し組合が「内部の不正を指摘し是正を求める
      少数の言動を必要以上に制約したりしていない」ときで、それらの行為が単なる特定個人の中傷の
      域を超え、マンションの正常な管理・使用が阻害される場合は「『共同の利益に反する行為』に当
      たる余地がある。」との最高裁の判決が出ています。
 
(5) 匿名での投書の処理ですが、管理組合に要望や苦情の発言をすることは自由ですが、他人を誹謗中
      傷するときは匿名にする場合が多いことからも、匿名にすることは責任を持ちたくないという意思
      の表明と判断し、組合としては、匿名の投書は無視して、記名の投書しか取り上げないことを管理
      組合の態度として明らかにしておきましょう。
    意見、苦情の窓口は、総務担当理事とか副理事長とか定めて置くことが重要です。また、意見具申
      は必ず書面で受け付けるようにします。後のちの記録として残しておきます。これに対しては、
      きるだけ速やかに必ず回答をすることです。確答でなくとも、後日の回答になるときは、とりあ
      えずそのことの連絡だけでもしておきましょう。
 
19.役員の選出時期になると、不在区分所有者が役員にもならず班別の共同作業(公園やごみ集積所の清掃)にも参加しないのでペナルティを徴収すべきとの声が多いのですが、徴収しても問題はないのでしょうか。
 お尋ねの件は最近よくいわれている「住民活動協力金」のことだと思いますが、役員の選任はどの管理組合でも難しい問題ですが役員にならないからといってペナルティを課すことには問題があります。
 
 平成23年1月26日に最高裁から画期的な判決が出されました。
  (1)マンションの管理組合を運営するにあたって必要となる業務及びその費用は、本来、その構成
     員である組合員全員が平等にこれを負担すべきものであり、
  (2)不在組合員は一般的にその業務を分担することが困難なため、規約を変更して一定の金銭的負
     担を求め、居住組合員と不在組合員との間の不公平を是正しようとしたことには、その必要性
     と合理性が認められる。
  (3)居住組合員の中にも、上記のような活動(マンションの管理組合を運営するに当たって必要と
     なる業務活動)に消極的な者や高齢のためにこれに参加することが事実上困難な者もいること
     はうかがえるので、これらの者に対しても何等かの金銭的な負担を求めることについては検討
     の余地がある。(ただし、今回はこのことについては判断の対象外とされました。)
  (4)不在組合員の金銭的な負担は、「住民活動協力金」という名目で月額2,500円の増(一般管理費
     8,500円と修繕積立金9,000円の計17,500円が20,000円になる。約15%増。)になるに過ぎず、
     かつ、住民活動協力金の趣旨に反対してその支払いを拒んでいるのは、約180戸のうち12戸を所
     有する5名の不在組合員に過ぎない。
  (5)したがって、所要の規約変更は、住民活動協力金の額も含め不在組合員が受忍すべき限度を超
     えているとまではいえず「一部の団地建物所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきとき」に該
     当しない(ので、規約の変更は有効である)。
 
  この判決を管理組合の実務からみますと、
  (1)不在組合員と居住組合員間の不公平の是正が図られ、「不在区分所有者」に対しては、通信費
     等の名目で何らかの追加負担を求めている管理組合は少なくないと思われる。従来「通信費
     等」について不在組合員と間で問題になった管理組合にとっては、今回の判決はその根拠を得
     たという意味で大きな福音となるであろう。
 
  (2)今回の判決を受けて上記のような住民活動協力金の採択に動く管理組合も出てくるものと考え
     られる。「マンションの管理組合を運営するに当たって必要となる業務活動について、その構
     成員である組合員全員が平等にこれを負担すべきもの」との判断が示されたとはいえ、「居住
     組合員の中にも、そのような業務活動に消極的な者や高齢のためにこれに参加することが事実
     上困難な者」については、「これらの者に対しても何等かの金銭的な負担を求めることについ
     ては検討の余地があり得る」と言及されただけで、判断は示されていない。したがって、「役
     員のなり手不足」に悩む管理組合にとって、「高齢等のために管理組合の業務活動に参加する
     ことが困難」な居住組合員の扱いについては、引き続き、知恵を絞って慎重に対応するしかな
     いであろう。
 
  (3)今回の判決と直接的な関係はないが「マンションの管理組合を運営するに当たって必要となる
     業務活動」については、別に規約を変更して賃借人も役員に選任できるという規定を設けて
     「業務活動の担い手」(役員のなり手)不足に対応している管理組合も見受けられる。組合員
     と同列に扱うことには無理があるので注意が必要であろう。
     ただ、規約では不在区分所有者は役員就任できるようになっていないにもかかわらず、役員に
     ならないからといって「住民活動協力金」を徴収することにも問題がありますので、規約の見 
     直しも当然考えなければなりません。
 
20.規約には防火管理者について定められていないのですが、何故必要なのですが、
 防火管理者については、消防法第8条によって「マンションの場合は50人以上の住人がいて延べ面積が500㎡以上なら甲種防火管理者を選任をしなくてはなりません。」
 
 防火管理者は、マンションの消防計画の作成、当該消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施、消火活動上必要な設備の点検及び整備等々がその業務として規定されています。
 
 マンション標準管理規約には防火管理者については規定されていませんが、できれば防災全般を担当する職務と位置づけて主要役員が担当ような規約にしておくことが必要ではないでしょうか。
 
  しかし、管理組合の中から防火管理者が選任できない場合は管理を委託している管理会社から選任することもできます。

 なお、消防法第44条では「防火管理者の選任の届を怠った者」は、罰金30万円以下又は拘留と定められています。
<<特定非営利活動法人 中部マンション管理組合協議会>> 〒460-0022 愛知県名古屋市中区金山二丁目1-4 大隅金山ビル4F TEL:052-322-9956 FAX:052-322-9959